ハンドメイド販売を始めるとき、最初にぶつかる壁のひとつが「ブランド名、どうしよう…?」という悩み。
「おしゃれな名前」や「響きのいい言葉」をなんとなく選んでしまう方も多いですが、実はそれだけでは売れるブランドにはなりにくいです。
本当に選ばれ続けるブランド名には、共通する“戦略”があります。
この記事では、売れるブランド名の共通点と失敗しないブランド名の作り方を解説します。
売れるブランド名の5つの共通点

おしゃれなブランド名だけでは、選ばれるブランドにはなりません。
実際に売れているハンドメイドブランドは、以下のような要素を兼ね備えた名前になっています。
1,覚えやすい・発音しやすい
短く、リズム感のあるブランド名は記憶に残りやすく、SNSや会話で広まりやすい特徴があります。
覚えやすいとは?
- 2〜4音節程度
(日本語だと2〜5文字が目安) - 母音の響きが心地よい言葉
【有名ブランドの例】
MUJI(ムジ)
2音節。「u」「i」が短く簡潔で、ミニマル感に合うIKEA(イケア)
3音節。「i」「e」「a」と母音が明るく欧州の明るさを感じるUNIQLO(ユニクロ)
4音節。母音が「u」「o」で丸い響き、リズム感も良い
2,ブランドの世界観が一目で伝わる
名前を見た瞬間に、「どんな作品を作っているのか」がイメージできることが大切です。
花・森・月・海などモチーフを入れたり、質感や雰囲気を表す言葉を取り入れると、ブランドの方向性が一瞬で伝わります。
3,他と被らず、オリジナリティがある
被っているブランド名は埋もれてしまい、差別化ができません。
既存単語の組み合わせ・造語・語尾アレンジなど、独自性を作ると お客様の印象に残りやすくなります。
【独自性のブランド名の例】
例えば、刺繍の小物のブランド名を考える。
イタリア語のfilo(糸)+mia(私の)の造語で「Filomia(フィロミア)」
糸を使った手仕事感があるブランド名で、造語なので差別化できます。
4, SNSや検索で見つけやすい
検索しやすい名称にすることも大切。
特に造語のブランド名は、被りにくいので検索時の上位表示を狙えます。
逆に検索しにくいブランド名は、固有名詞をそのままブランド名にした場合など。
【ブランド名の失敗例】
ブランド名を「pino(ピノ)」に決定
↓
「pino」を検索すると、アイスの「ピノ」ばかり
↓
自分のブランドは検索結果に出てこない
↓
結果、マーケティングが難航
5, 海外でも通用する
海外で発音しにくいと言われる日本語は避けましょう。
海外で発音しにくい音
- 促音(小さい「っ」)
- 拗音(「ゃ」「ゅ」「ょ」)
- 長音(「ー」)
- 撥音(「ん」
例えば、「無印良品(ムジルシリョウヒン)」は、海外展開の際に「MUJI(ムジ)」にしましたよね。
これにより、海外の方にも発音しやすく記憶に残るブランド名となりました。
その他にも、海外の人が見たら「えっ!?」となるようなブランド名は避けましょう。
例えば、英語圏の人たちが抵抗を感じるネーミング。スポーツドリンクの「POCARI SWEAT(ポカリ汗)」
もし、日本語で「ポカリ汗」と書かれたスポーツ飲料があっても、”買いたい!”とはなりにくいですよね。

【超重要!】ブランド名を決めるときに守べきこと5選

「知らなかった」では済まされないこともあるので、しっかりと守って素敵なブランド名をつけましょう。
1,商標登録されている名前は避ける
商標登録されている名前を使うと、トラブルの原因になります。特に同じ商品ジャンルでは要注意。
ブランド名が同じだと、お客様が勘違いして購入することもあり、商標登録している会社から訴訟されるリスクもあります。
ブランド名の候補が決まったら、特許庁の商標検索で確認しましょう。
商標登録の確認はこちら:「特許情報プラットフォーム|J-PlatPat 」
2,競合チェック(被り確認)をする
minne、Creema、Instagram、Googleなどで同名ブランドが活動していないかを確認。
被りがあると、検索結果で混同され、ブランド価値が下がります。
3,ドメインが取得しやすいか
ドメインとはインターネット上の住所のこと。

ドメインとブランド名が一致していると、検索されやすくなります。
ネットの普及によりドメインが埋まっていることも多いので、ブランド名を決定する前に調べておきましょう。
ドメイン検索をするなら「お名前.com」
4,広く使われる言葉は使わない
「かわいい・kawaii・cawaii」「ハンドメイド・handmade」など一般的すぎるワードは、検索結果で埋もれてしまいます。
使いたい場合は、”単語の組み合わせ”や”造語”にするなど工夫して、個性を出してください。
ブランド名は、オリジナリティーが重要。
5,時代に左右されない
流行語や一時的なスラングは、数年後に古く感じられます。
例えば、流行り言葉の「メロい」という響き・意味が可愛いから、ブランド名を「メロ〇〇〇(MERO〇〇〇)」
これは、5年・10年後には、お客様の心に響かないブランド名になります。ブランド名の由来には、流行りではなくストーリーを持たせましょう。
5年10年後も自然に使える言葉を選ぶことが長期的なブランド価値につながります。
ブランド名を決める際に使えるツール

1,ChatGPT
「ChatGPT」は、ブランドコンセプトやターゲット層を伝えると、それに沿ったブランド名の候補を大量に提案してくれます。
英語だけではなく、イタリア語やフランス語などの言語の造語も提案してくれるのが強み。
2,ネーミング辞典
「ネーミング辞典」は、入力した日本語の単語を、英語・フランス語など12ヶ国語に変換しれくれます。
造語や、複数の単語を組み合わせてブランド名を作るときに役立つツール。
3,nomyne
「nomyne」は、ブランド名がすでに権利化されていないかのチェックをしてくれます。また、キーワード検索では見つけられない、名前の類似も検索可能。
アメリカの商標も検索もできるので、海外展開を視野に入れてるなら必須。
商標登録までサポートしてくれるツールなので、ブランドとして成長させていきたいなら、おすすめ。
【最終確認用】ネーミングチェックリスト10項目

ブランド名が決まったら、以下の10項目をチェックしてみましょう。
- 口に出して言いやすいか?
- ひと目で世界観が伝わるか?
- 主要SNSの@が空いているか?
- 希望ドメイン(.com/.jp等)が取れるか?
- 強い類似商標がないか
- 5年後も使える名前か?
- 英語圏で変な意味にならないか?
- 誤変換や誤読されないか?
- 文字数が適切か(短め)
- ブランドロゴで映えるか?
全て「はい」ならGO!
ブランド名が決まったらやるべきこと

名前が決まったら、次はブランドの土台作り。ここを早めに整えることで、販売開始後の印象が格段に良くなります。
- SNSアカウンどをブランド名に統一
instagram・Xなど統一する - ネットショップ(BASE・minneなど)ブランド名を統一
ショップ名・ブランド名が一致してると、検索や覚えやすさが向上 - ロゴ・ショップカード・台紙などもブランド名入りで制作
統一感のあるビジュアルは、プロらしさと信頼感を生みます
この「統一感」が、リピーターを生むブランドの大きな強みになります。
まとめ|売れるブランド名には“戦略”がある!

ブランド名は「感覚」だけで決めるのではなく、売れるための設計図のひとつ。
【売れるブランド名の共通点】
「覚えやすい」+「検索されやすい」+「世界観が伝わる」
ブランド名は、あなたのハンドメイド作品を選んでもらうための第一歩。
ぜひ今回のポイントを参考に、あなただけの売れるブランド名を生み出してください。